愛媛十全医療学院 令和4年度 授業要綱
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〔授業の目的・ねらい〕 医療が人間の生と死に深く関わる分野である以上、医療に携わる者なら誰もが取り組まざるを得ない重要な問題のひとつが医療倫理である。医療倫理は、臨床研究、先端医療、生殖医療、脳死・移植医療、尊厳死など特別な分野において様々な問題を提起するが、日常の医療現場にも職種を問わず多くの倫理的問題が存在する。しかしそれらは、あまりにありふれて、かえって見逃され、気付かれないでいることが多いが、患者にとっては非常に深刻な意味を持つものである。医療者が提供しようとしている治療やケアが、患者にとって不利益になったり、人間としての尊厳を冒すものであってはならない。 このような倫理的問題に対し、医療人として問題を発見する感受性を磨き、それにどのように向き合うかを考えるのが授業の目的である。〔授業概要〕①臨床倫理の基本的な考えと歴史を振り返る。②現代の医療の場でどのような倫理的課題があるか取り上げる。③ケーススタディーを提示し、それについて各自が問題点を考え議論してゆく。  1.医療倫理とはどういうものか。 2.医療倫理の歴史 3.医療倫理の方法論 4.守秘義務について 5.インフォームドコンセント 6.死とはどういうことか 7.治療拒否 8.尊厳死 模擬症例を提示し、それについて各自が問題点を考えグループに分かれて討議する。〔教科書〕講義にあたっては担当教員が作成した資料を配布する。〔参考書〕臨床倫理学の方法         宮坂道夫   医学書院臨床倫理学ベーシックレッスン  石垣靖子ほか 日本看護協会出版社学生と考える生命倫理       金子章道   ナカニシヤ出版〔その他〕〔成績評価の方法〕課題を与え提出されたレポートで評価する。科 目 名理学療法学概論Ⅲ(医療倫理Ⅱ)学 科 名理学療法学科必 修 科 目単 位 数担当講師藤原 雅弘区分・授業方法専門 ・ 講義1学年・学期2年生 前期実務経験有無実務経験内容有理学療法士として5年以上の実務経験理学療法現場における医療倫理に関する問題を提示し理解を深める55

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